◆抗うつ薬はなぜ効くの
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うつ病の人は（うつのメカニズムでも述べたように）神経伝達物質（セロトニンやノルアドレナリン）の量が不足していることが分かっています。神経伝達物質は、情報を伝達したあと再び元の細胞に取り込まれるため、ますます少なくなってしまう。抗うつ薬は、もとの細胞に取り込まれることを阻害することで、神経細胞間の神経伝達物質を減らさないように作用します。
○健康な人○
神経細胞から放出された神経伝達物質（セロトニンやノルアドレナリン）が次の神経細胞に取り込まれ、情報がうまく伝わる
↓
●うつの人●
神経細胞から放出された神経伝達物質の一部が再び、放出した神経細胞に取り込まれてしまう。このことで神経細胞間の神経伝達物質の量が少なくなり、情報がうまく伝わらない
↓
◎抗うつ薬の働き◎
神経伝達物質が神経細胞に再取り込みされるのを防ぐことで、神経細胞間の神経伝達物質の量を保つ
◆抗うつ薬には４種類 あるw(^^)w
■三環系■
古くからうつ病の薬物療法の中心として使用されている。
（商品名：トリプタノール、アナフラニールなど）
【作用】セロトニンとノルアドレナリンの再取り込みを阻害。最も強力な
作用をもつ抗うつ薬だが、セロトニンとノルアドレナリン以外にアセチルコリンやヒスタミンなどの神経伝達物質にも作用するので副作用が出やすい。効果が現れるまで２週間くらい時間がかかる
【副作用】
起立性抵血圧（転倒などの事故に注意！）
［抗コリン作用］
口の渇き、動悸、便秘、排尿困難
［抗ヒスタミン作用］
眠気、だるさ
■四環系■
三環系を少し改良した抗うつ薬。
（商品名：アモキサン、テトラミドなど）
【作用】
ノルアドレナリンの再取り込み阻害が中心。効き方が三環系よりも早いものがある。
【副作用】
古くから使用されている三環系よりは軽減されているがほぼ同じ症状。
■ＳＳＲＩ■
三環系・四環系よりも副作用が少なく、効果もある抗うつ薬。日本では１９９９年から現在、３種類のＳＳＲＩが使われている。
（商品名：デプロメールパキシル、ルボックス）
【作用】セロトニンの再取り込みを選択的に阻害。 ＳＳＲＩは特に不安感が強いうつ病に効果的と言われている。
【副作用】
吐き気、嘔吐などの消化器科系ね副作用が起こりやすい。最近は胃粘膜保護薬を併用することが多くなり、実際に副作用が出ることは少なくなってきている。
■ＳＮＲＩ■
２０００年から認可された新しい抗うつ薬。効果は三環系とほぼ同じくらいある。ＳＳＲＩよりも効き目が早い。
（商品名：トレドミン）
【作用】セロトニンとノルアドレナリンの再取り込みを選択的に阻害。
【副作用】
排尿困難（前立腺肥大症がある人は特に）、頭痛
参考文献：きょうの健康 「うつ病の薬」
