鍵の勇者と不屈の魔術師公開所

□鍵の勇者と不屈の魔導師 第一章
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〜小さき王と黒き影〜


ミッドチルダ郊外、夜も更け、人影のないビル群の一角、ビルの影から黄色い目が幾つも怪しく揺らめいていた

街灯の薄明かりに照らされたのは、影の如く黒く虚ろな体をもつ『何か』
それが生きている者なのかは解らない

しかし、魔導師の使い魔にしてもその『何か』は明らかに異質だ
知性が在るようには見えず、ただ何かを求める様にさ迷い歩いていた

そこに後を追うかの様に現れた光の中から黒いフード付きのロングコートを来た二人組が姿を現した

フードを被っているが一人は長身、もう一人は明らかに人ではありえない大きな耳と低すぎる背丈をしている

?「ここにまでハートレスがいるとは‥動き出したみたいだな、奴らが」

長身の男が話し掛ける

?「考えるのは奴らを片付けてからだ、行くよ『リク』」

リク「そうだな、『王様』」

話が終わると二人はそれぞれの剣を構えた






同時刻、ヴィータとザフィーラは魔力反応がする場所に向かってミッド上空を飛んでいた。その途中シャマルと念話を繋いだ

ヴィータ「またあの魔導機械なんだろ?」

シャマル「いいえ、魔力が小さいし、数が多過ぎる。別の何かとみるのが妥当ね」

ザフィーラ「新たな敵か、でも何なんだそれは?」

リィス「何であっても強くないんだろう?反応も弱いんだしさ、ハァ、だるい」

ビル群を駆け抜けながら黒髪に紅の上着と紺のインナー、白いスカートいう姿の、背が低めの女性、『リィス』が念話に参加する

シャマル「わからないわ、データがないし、結界内に現れるまで全く反応がなかったし、気をつけて」

ヴィータ「任せろ!」
ザフィ=ラ「おう!」
リィス「あいよ〜」

そう言うと、二人はさらに加速し、リィスもやむなく速度をあげ、目的地に急行した



5分程後、三人が魔力反応のする場所に着く直前、急にシャマルから念話に呼び止められ、三人共あわてて急停止した

シャマル「待って!急に魔力反応が消えて‥、何なの?」

ザフィーラ「新手か?」

ヴィータ「でもよ‥」

シャマル「他の魔力反応がない…どうなっているの?あっ、ちょっと待って、それとね‥」

リィス「強い奴がいるのか!なら、直接行って確かめるしかないな♪私は行くから!」

最近はガジェットと呼んでいる魔導機械の破壊ばかりで退屈だったリィスは、念話を切り上げ、他の三人の返事を待たず、満面の笑みで問題の場所へ全速力で疾走する

ヴィータ、ザフィーラ、シャマル
「‥‥あ」

三人はあまりの速さにア然とした

ヴィータ「リィス!」

ザフィーラ「仕方ない、我らも行くぞ」

ヴィータはすぐにリィスを追い掛け真夜中の街に降りていく

ザフィーラが後を追い掛けようとした、その時シャマルに止められる

シャマル「待って、ザフィーラは戻って!近くに別の魔力反応があるの」

ザフィーラ「ガジェットか、わかった」

二手に別れ、それぞれの反応へ急行する
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