外伝公開所
□鍵の勇者と不屈の魔導師 外伝その1
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?「イョ〜、グッモ〜ニン、コ〜ニスィ〜」
いつの間にか部屋に入った紳士を思わす黒のタキシードを着た男性が、やけに長いシルクハットを片手で挙げ挨拶する
一斗「お〜、任務帰りか『ハチクロ』さん?」
ハチロク「そ〜だぞ〜、全く人使いが荒い部署だよ、ここは」
一斗「だな、誰のせいでこんな苦労してんだろうな」
一斗はハァ、と小さく溜息をつく
ハチロク「で、君は何をしていたのかね?コニスィ-」
一斗「見りゃわかんだろ、エースの仕事の肩代わりだよ」
ハチロク「ハッハッ、パシリ君は大変ですな」
一斗「パシリじゃねぇよ!」
ハチロク「ハッハッハッ、おっと、それより…」
ハチロクは気にせず、ポケットに手を入れ、白い金属でできたカードを取り出す
ハチロク「AAランク昇進おめでとう、これは私と技術部からの餞別だよ」
一斗「お、改修終わったのか!?」
ハチロク「イェ〜ス、プロジェクトZ・S(ゼロ・セイヴァ-)の正式運用第一号であ〜る」
一斗「やっと帰ってきたのか、一ヶ月待ったんだぞ!」
一斗はデバイスを受け取ると嬉しそうにデバイスを眺める
ハチロク「なんだ、代わりのデバイスに不満があったのか?」
一斗「性能に関しては文句ねぇよ、でもな『こいつ』が1番しっくりくるんだよ」
ハチロク「そうだの、コニスィーはこれからどうする?」
一斗「これ、と別に調査を任せられてるからな〜、そっちは今日中に終わらせろってよ」
目の前の机に積んである書類をバンバン叩きながら、だるそうに話す
ハチロク「仕方ないのぉ、餞別ついでだ、書類は私が手伝ってやろう」
一斗「マジか!?いやぁ、助かった〜」
ハチロク「あ、おい、手伝うだけだ『んじゃ、よろしくな』
話も聞かず、調査対象の関係書類をかき集めて一斗は部屋を飛び出す
部屋に残されたハチロクが先程まで一斗が仕事をしていたデスクに座る
ハチロク「………AAか、よく頑張ったぞ、一斗」
一人嬉しそうに髭をいじりながらそう呟いた
ハチロク「だが…」
浸るのを止め、目の前の現実を見据える
ハチロク「どこまで終わっとるんだ?これは」
彼の仕事はまずどこまでが処理済みかを調べる途方もない作業から始まった