外伝公開所

□鍵の勇者と不屈の魔導師 外伝その2
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〜機動六課屋外訓練場(廃都市)〜

ザッ

実体ホログラムで形成されたビルの屋上、その感触を確かめながら、湖西一斗は周囲を見渡していた

一斗「ハァ〜…、こりゃあ凄ぇ」

今日何度目の驚きのリアクションだろうか

今日の見学の間、キャロルの会話で知った機動六課の後見人達、隊長陣を始めとするのそうそうたる顔ぶれ、やり過ぎとも呼べる程の施設や配備

一斗「成る程、確かにこれは上も目を光らせてるはずだぜ」

今までの部分で見ても機動六課は一つの課が持ち得るキャパを圧倒的にオーバーしている

一斗「まぁ、表向きには遺失物管理が主なんだろうが、本当はそれだけじゃないんだろうな〜」

それが何であるか分からないからこそ上層部には煙たがられるのだろう

一斗「ま、お偉いさんの事なんて別にどうでもいいけどな」

そんな事をぼやきながら
ン〜、と軽く背伸びをしていると、

なのは「いたいた、あなたがユーノ君の言ってた友達ですか?」

そこにバリアジャケット姿のツインテールの女性が降り立ってきた

一斗「たっ、高町一等空尉ィイ!?」

その姿を見た一斗は、今日の驚きの中でも最大級のリアクションをみせる

なのは「ごめんね、今日の模擬戦、予定より開始が遅れちゃって」

それも当然、目の前に居る女性こそ別名、エースオブエース、管理局屈指の魔導師と謳われた高町なのはであった

一斗「滅相もないです!?こちらこそ色々みれて良かったですます!!」

そんな有名人との接点がある事自体は彼にとってはいつものことなのだが、

一斗(間近で見ると、一段と綺麗だなぁ)

問題は相手が顔もスタイルもエース級だという事だ

ビシッ!

あたふたしながらぎこちなく敬礼をし、

一斗「特別ししょ、嘱託課の湖西一斗、嘱託魔導師です」

一斗「きっ、今日はよろ、よろしくお願い致しますで御座います!!」

緊張で体は敬礼したままで固まり、言ってる内容もしどろもどろになる

なのは「そんな堅くならなくていいよ、一斗君」

一斗「何故俺の名前を?」

なのは「あぁ、ユーノ君から話は聞いたりしてるんだよ、一斗君のコト」

一斗「恐縮ッス!!」

なのは「ところで、いきなりキミのコト、名前で呼んでもよかったのかな?」

一斗「そんなの全然、問題ないッス!!」

一斗(それになんていい人なんだ、マジでウチの馬鹿姫にも見習わせてやりてぇ

自らの課長の思い浮かべながら、一斗はしみじみなのはの人の良さに感動していた

と、そこに

キュュュュュュュ…ン

空から車輪のないバイクのような乗り物がゆっくり下降してくる

それが屋上に着陸(とは言っても若干地面から浮いて停まっているのだが)すると、乗っていた男がそれからおりて来る

リク「ここにいたか、探していたぞ、なのはさん」

一斗(名前で呼んだぁ!?一等空尉相手になんて図々しいヤローだ、コイツはよぅ!)

そうは言ってもなのはの部下ないし同僚であるであろう相手に言えるわけもなく、一斗は憤りを言葉と共に呑み込んだ

なのは「あっ、リクお疲れ様、用事って?」

一斗(あ〜、あれがユーノの言ってた新人か、……妬ましい)

どこから来たのかもわからない奴が管理局のエースと普通に話している

…しかも奴はどう見てもかっこよくて、エースは美人とくれば自然と腹立たしく思えるのは男の性であろう

だが、

その第一印象は彼の一言で覆るコトとなる

リク「あぁ、今日リィスの課から来るって奴の模擬戦、急遽なのはさんしてもらう事になったんだが、いいか?」

なのは「それはいいけど…」

一斗「ま、マジですか!?」
リクが告げた突然のスケジュール変更に一斗は喜ばずにはいられなかっ

憧れていたエースの名を冠した魔導師、そんな人と戦える千載一遇のチャンスだからだ

一斗「なら、早く行きましょうぜ、お二方」

なのは「でも、リィスさんに訓練してもらってるなら私じゃ役不足かもしれないけど…」

一斗「なに言ってるんですか!?高町一等空尉とやれるなんてもぅ最高です、是非ともお願いします!(土下座)」

プライドは投げ捨てるもの

彼の信条をそのまま体現しているような一分の隙もない土下座を魅せる

なのは「わ、わかったから土下座なんて止めて行こう、一斗くん」

了承を得た一斗はすかさず立ち上がり、なのはの手を握り、

一斗「ありがとうございます!!」

精一杯の感謝を言葉にする

なのは「一斗くん」

一斗「はい、なんでしょう高町一等空尉」

なのは「なのはさんでいいよ、堅苦しいのはあまり好きじゃないから、ね?」

一斗「ハイっす!!かしこまりました」

なのは「あともっと気楽に」

一斗「了解であります、なのはさん」

リク「変わってないぞ」

一斗「うるせぇ!!」

なのは「プッ、フフフッ」

リク「アハハハハハ…」

一斗「わ、笑ってんじゃねーよ!?」

照れ隠しに喚く一斗に、なのはとリクは笑い声をこぼしていた
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