鍵の勇者と不屈の魔術師公開所

□鍵の勇者と不屈の魔導師 第2章
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リィスの最初の模擬戦を終えて、リクと王様は自室で休んでいた

リク「これから毎日あいつと模擬戦か…」

リクがベッドに横になりながら呟く

王様「…はぁ」

正に命懸けの模擬戦を思い出し、ミッキーは溜息をこぼす

リク「まさか他のメンバーも皆、ああなのか?」

王様「だとしたら僕たちが持たないよ、……どうしよう」

ベッドに座りながらミッキーは模擬戦とも思えない風景を想像し、頭を垂れて落ち込む

リク「……逃げるか?」

そんな事を言った直後、

リィス「入るよ〜」

六課の制服姿のリィスがノックも無しに二人の部屋に上がり込む

ビクッ!
ビクゥッ!!

突然の予期せぬ客にリクは驚き、上半身を持ち上げ、ミッキーはその場で飛び上がる程の驚き様を見せる

リィス「プッ、ブッフフフ、アハハハハハッ!、二人共びっくりし過ぎ、何?恋バナでもしてた?」

あまりに度が過ぎる驚き方軽く笑いながら話す

リク「い、いやそうじゃない」

リィス「ふ〜ん、まぁ、いいや、はやてが話があるからって呼んでる、二人で行ってきて」

王様「リィスは来ないのかい?」

リィス「あぁ、今からルーキー達を鍛える約束してるからね〜」

ウキウキしているリィスを見て、ふとミッキーが口を開く

王様「ルーキーってさっきの4人かい?」

リィス「そーだよ、根性はあるみたいだし、午前中で基礎訓練は終わってるから、リミッター掛けて4対1で5分の模擬戦、休憩挟んでそれを2セット位かな?初めてだし軽くいかないと、ね」

リク「ハハッ、鬼だな」

本気で「軽く」と言うリィスを見て4人に同情していると、

リィス「私も出るから、二人も早く行ってこい、あ、あと…」

リィスが背を向けたと思ったら、首だけ振り向き

リィス「もし逃げ出したりしたら、どこまででも追い掛けて八つ裂きにするから、そのつもりでね(ニパッ)」

黒いオーラをただよわせて笑みを浮かべるリィスの目は決して笑ってはいなかった

リク「あ、あぁ」
王様「は、はいっ!」

リィス「よろしい」

リクとミッキーは蛇に睨まれた蛙の如く固まり、背筋が凍る様な戦慄を感じながら、リィスを見送る

リク「死ぬかもな、俺達」

王様「……うん」

リィスがいなくなって、そんな事を思った


リィスを見送った二人は伝言の通り、はやてのいる部隊長室の前で直立する

リク「失礼します」

はやて「どうぞ」

自動のドアが開き、二人は中に入り、デスクの前まで歩み寄る

王様「話っていうのは?」

椅子に座っていたはやてが腰を上げて、話を始める

はやて「二人を呼んだのは他でもない、これからのことや」

リク「…仕事、か」

はや「そっちはまだ上の許可が取れてない、でも近いうちに動ける様にはなる、そこでや、リィン」

リィン「どうぞです」

リィンが二人に書類を渡す

リク「これは?」

受け取った書類に目を通しながら聞く

はやて「それは新設部隊、アース部隊の概要及び編成や」

王様「アース部隊?」

はやて「そう、リィス隊長が管轄する対ハートレス地上迎撃部隊、アース部隊や」

リク「…主な任務はハートレスの迎撃、スターズ、ライトニングの援護、か」

はやて「隊長のリィスがアース1、副隊長はまだ決まってない、どちらかにやってもらう事になるけど、正直まだ二人の力が未知数やし、判断材料が少ないから二人の意見を聞かせてくれるか?」

リク「そういう役はミッキーに頼んでくれ、俺自身まだまだ力不足だからな」

はやて「やったらミッキー、それでええか?」

王様「…ああ、引き受けるよ」

ミッキーが快諾するのと、ほぼ同時にリクがもう一枚の書類に気が付く

リク「なぁ、こっちは何だ?」

書類をヒラヒラさせながらリクが尋ねる

はや「それは明日の魔導ランクの審査に関する上からの要請書や」

王様「僕らに、だよね」

はやて「嘱託魔導師でも管理局に所属する際に個人の実力を計って、任務の効率を向上させる、ていうのが表向きの目的や…」

リク「実際は違うのか?」

はやて「機動六課はいろんな意味で反則スレスレの部隊や、上層部も目を光らせてる」

王様「それキーブレードなしでランク審査を受ける訳、か…」

はやて「それなら大丈夫やと思う、あともう一つ二人に頼みたいことがあるけど、ええか?」
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