鍵の勇者と不屈の魔術師公開所

□鍵の勇者と不屈の魔導師 章間(3)
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〜ミッドチルダ郊外・廃都市群〜

ロクサス「ロストロギア反応、なし」

廃都市、その地下を通る暗闇の下水道のひらけた合流地点で黒コートを着込んだ中学生並な背格好のロクサスが複数のガジェットT型を従え、何かの探索をしていた

ロクサス「B区画探索終了、次の区画へ…ん?高魔力反応?上方から接近…」

ロクサスが気配に気付き、上を向く


ピシッ、メキッ、ガシャ!
ドドドドドドドドドッ!

下水道が揺れ、高い天井にはひび割れが起き、徐々にそれらは大きくなっていく

ギシシッ、ズッッ…ガァァァアァァァアアン!

?「…ぉりゃぁぁぁああああああっ!!」

ドシャァァァン!

豪快な破壊音と叫び声と共に一人の男が地面を陥没させ、土煙を巻き上げる勢いで着地する

?「ぅおいっ!どこのどいつだ!こんな所で怪しい事やってんのは!」

現れたのは明るい茶色のセミロングヘアーにするどい目つきの熱血が服着て歩いている様な男、そのがっちりした体格を覆う衣服は袴の様な黒いズボンに上は赤いマントと下駄だけではあるが…


着地した体勢から立ち上がり、周りを見渡しながら先程一瞬感じた高魔力反応の主を探す

のだが、

?「?、ん〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜?」

砂塵で見えてはいないが、ここに落ちる直前まで感じていた魔力反応は跡形もなく消えていた

?「いつの間に逃げたんだ?野郎はよォ」

徐々に晴れだす砂塵の中で、男は歯痒い思いをしていた

?「チッ、久々の腕馴らしにしようと思ったらコレかよ」

ガラッ

?「ハァァ」

地面に突き刺したままの異常とも言える質量の白いランスを不機嫌そうに片手で引き抜き、肩で担いでさっさと退散しようとする

ビシュン

ふとそれを遮る様に魔力弾の様な物が彼に向け飛ばされた

バシッ!

?「……………あァ?」

それが顎を直撃したとは思えない程に微動だにしていない彼は、イライラしながら周りを見渡し、ガジェットを確認する

?「わかった、オマエ達悪の手先だろ」

ぞろぞろ集まる計数十体のガジェットを見ても、ただランス片手に突っ立って構える素振りを見せない

?「なら俺が砕いてやるしかねーなァ!!」

そう告げた瞬間、一斉にガジェットが攻撃を仕掛けた!






?「せいッ!」

ズドンッ!

5分と経たずに熱血男はガジェットを殲滅し、最後の一体を白槍で壁ごと突き刺し、文字通りトドメを刺した

?「こんな鉄クズ、資源の無駄だ!こんなモン造りやがっ、て!」

ガシャン!

ドカァン!

ガジェットはランスを引き抜くと同時に爆発し、破片が無惨に飛び散る

?「つまらん、帰ろ」

そう言ってデバイスを待機フォルムに戻してポケットにしまい、小気味よい下駄の音を響かせ地下の闇へと消えていった
 

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