Milky load.

□U reunion
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戦闘は長時間に渡り、リーダーはビルの陰に隠れて膝に手を付いた。
撃ち続け、走り続ける手足の感覚は既に鈍い。
別の陰では、既に切り裂くから叩き斬るに変えざるを得なくなったラヴが双剣を鞘に戻し、両手を振っている。
ジーンも指先の感覚が麻痺し、何度かリーダーやラビを傷付けてしまい、それこそ必要であるのに際どい援護を躊躇する様になった。
しかし、三人共目から光を失う事は無く、息を整えながら僅かな好機を探り続けた。

「えー、こちらリーダー。生きてる人?」

「「はーい。」」

無線から聞こえた元気な返事に、リーダーは短く安堵の息を零した。

「敵さん退く気配がありません。」

「こっちだってねえっつうの。」

「ジーンは?」

「腹減った。」

「「悠長だな。」」

「うおっと!?」

リーダーの声の後に、けたたましい銃声が鳴り、含水量の多い物体が倒れる鈍い音がした。
ラヴとジーンは我知らず無線に集中した。

「フルオートは嫌いなんだけどな。」

拍子抜けするくらい呑気なリーダーの声に、身体から力を抜いた。

「そうだ。おまえら、上に注意してる?それかメット被りなよ。」

「「ブッ!」」

二人の笑い声にリーダーは小さな頬を膨らませた。

「俺、何か可笑しい事言った?」

「あんたが一番危ねえだろうが。」

「そうそう。こっちの台詞だってーの。」

「そうみたい。」

リーダーはビルの上から降下してくる敵を見もせずに察し、壁を背に横に跳躍した。
ビルの陰から飛び出す直前に始まった銃撃で通りは弾幕が出来ていた。
その上を影が飛び越えた。
二人が顔を覗かせるが、応援に行ける状態では到底無い。
直に自分達の身にも同じ様な事が起こった。
最前線のリーダー程では無いが、弾幕の中、各々生にしがみ付くのに精一杯だ。

 

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