曖昧な僕ら。2

□武闘派眼鏡は伊達じゃない
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どんな風に仕事の連絡が来るのか、自分は普段は医者として働いていていいのかなど。
Bはボスに色々確認し、鼻で笑われた。

「何?」
「いや?根は真面目な瓶底眼鏡の坊ちゃんのままなんだなって思ってな。」
「真面目じゃなきゃ医者なんてやってられっか。」

目を据わらせ煙を吐き出すBは色気が溢れ出ている。
大股を開いて足首を膝の上に乗せ、小ぶりな尻をずらしてソファに踏ん反り返る姿は、相手がノンケであっても眼福ものだ。
ボスはうんうんと頷いた。

「その調子で敵を惑わし味方を増やしてくれ。それが君の主な仕事だ。」
「別に良いけど、G姐さんの方が適任じゃねえの?」
「恵麻は女の子だぞ。易々と男の邪な視線や危険に晒せるか。」

Bはボスの目力に驚き、煙草の煙を飲み込んでしまい、咳き込んだ。

「千隼も何だかんだ言ってでっかくなっちまってそっち方面じゃ使えねえからな。いやあ、助かった。期待してるぞ。」
「そんなもんが通じる様じゃ、あんたらの世界も大した事ないな。」
「人間、どこの世界でも基本構造は同じだからな。」
「ふん、何だっていいさ。あんたらは余計な危険が減ってハッピー、俺は色んな男とヤれてハッピー。どこにも不幸がない、最高の取引だ。」

ビールで喉を潤し立ち上がるBに、ボスは手を差し出した。

「よろしく。」
「…どーも。」

Bはボスの手を叩き、部屋を後にした。

 

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