曖昧な僕ら。2
□それでも一緒にいたいから
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Bは気づくだろうかと思う前に、Aの腕にBの腕が絡んだ。
「おい。」
「明日は休みだし、ちょっとだけ遊ぼうぜ。」
Aは「こいつ酔ってやがる」と思いはしても、口には出さなかった。
Bに軽く扱われてやり、路地裏に引き込まれ壁に背を付けた。
身長差で見上げるBはAの体にしな垂れかかった。
Aの厚い胸板を撫でる。
「どう?ドキドキするか?」
「違う意味でな。」
「お触りのみ、先に勃った方が負けだぜ?」
「触っていいのか?」
「いいぜ。」
口の端が重なる所にキスをされたAは、瓶底眼鏡がなければ変に酔う事もないかと、Bの腰に腕を回した。
キスでもしてやろうかと顔を動かしたら嫌がられたので腹が立った。
丸い後頭部を片手で掴んで強引に口付けて舌をねじ込んでやった。
最初こそ抵抗していたが、その内に大人しくなり、それなりに楽しんでいた。
しかし、二人ともパッと離れて口を袖で拭った。
「おまえ、怒られるぞ。」
「あ、やっぱり今のCさんだったんだな。」
Bは路地裏から顔を出し、通り過ぎたカップルを見送った。
AはBの尻を揉みながら溜め息を吐いた。
「気づいてたのか。」
「半信半疑。Aが一瞬気を留めたからもしかしてって思って試してみた。」
「なるほど。」
「キスまでしやがって、ノリノリだったAも一緒に怒られろよ。」
「どうせ怒られるならもう少し先まで遊ばせろ。」
Bの目がAの股間を見る。
お互い全く以って無反応で、二人同時に吹き出し、その場で別れた。