Milky load.

□U reunion
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反政府組織軍の別動隊六人は、銀髪の少年の姿を肉眼で捕捉した。
的に気付かれた様子は無い。
先頭は後続に手信号で伝え、作戦実行の合図を送った。
各々銃口を的に向けた時、自分達の居場所に影が出来た。
「何だ?」と顔を上げると、質量のある影が音もなく振って来た。

「「「!?」」」

二人は影が何であるか理解する事無く、絶命した。
影が人である事を認識出来た三人も直ぐに後を追った。
その気になれば首も飛ばせる凶悪なナイフが的確に主要な血管を斬り裂き、その身体の大きさからは想像出来ない速さと強さで繰り出される蹴りが顎や急所を破壊した。
リーダーはビルの陰から逃げようとする敵を銃口で追ったが、ジーンのナイフが先に届いた。
側頭部に深々と刺さった真っ黒なナイフは、やはり昼の空が似合わない。

「そのナイフが何処まで飛ぶのか知らないけど、援護よろしく。」

「良いけど、流石にライフルの射程には敵わねえぞ。」

「俺はラビの前に行く。援護は要らない。同じ制服を着た人達が来たら今度こそ一回で名前覚えて後で俺に報告してよ。」

ビルから飛び出す前にリーダーは自分の耳をコンコンと叩いた。
ジーンが無線を付けた時には既に、青い目の光の軌跡を残し、ラビの背後に狙いを付けた敵の首を軽く飛んで斬り付けている所だった。

「は?魔法使えないんじゃなかったのか?」

魔法でなければそれは何だ。
ジーンは、敵から奪った短機関銃で敵を薙ぎ倒しラビと共に更に前進するリーダーの背を離れて追い駆けた。

 

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