Milky load.
□]Timagine
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早朝。
リーダーは一人ぽつんと訓練場に立っていた。
過去形だ。
集合時間は過ぎ、その辺りから膝を抱えてしゃがみ込み、暫く待ったが人の気配は無い。
「…まただよ。」
第四部隊分隊に配属される様な人間が大人しく訓練に参加する訳が無い。
今までだってそうだった。
でも今回は違うと、何処かで期待していたリーダーの大きな青い目から涙が零れる。
「ぐすっ、シメオンとレオまで。」
この呟きをもしラドクリフが拾っていたら、二人は痛い目に遭うだけでは済まなかっただろう。
何を察してかシメオンは自室で大きなくしゃみをし、近くに居たレオは兄がマスクを常時装備していて助かった。
しかし、リーダーが拳を合わせ指の骨を鳴らした時、今度はレオが大きなくしゃみをし、思いっきり面喰らったシメオンに思いっきり頭を叩かれた。
「これもまた訓練だ。リーダーは忙しいなあ。」
勢い良く立ち上がったリーダーはその場で数度跳ね、五首を回して手を開閉させた。
「まずはラビだ。」
子どもにしては速過ぎる速度で走り始めたリーダーを、訓練の一環でスコープ越しに監視していた兵士は瞬き一つで見失った。