采配のゆくえ


□38℃
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「あつい」
「うるさいやつだなあ、暑いのは皆一緒だろ」
「う、うう、暑い暑い」

三成は手で自分を仰ぎながら暑い、暑いとごねている。
涼しいといえば涼しく思えてくるものだ、と吉継は返したが、正直精神云々かんぬんでどうにかなるような暑さでも無かった。
自分の背中もじっとりと汗ばんでいる。

「吉継、クーラー買おう。扇風機じゃこの夏は無理だ」
「君がいくらごねても買わん」

何回このやりとりを繰り返しただろう。
三成はどうしてもクーラーが欲しいらしい。

「吉継だって暑いだろ?」

三成が吉継の腕をつかんだ。

「…あれ?」
「…何だ」
「吉継冷たいな、身体」

自分と同じで身体は火照っているだろうと思って触れたのに、以外に肌はひんやりしていた。

「汗をかいたから冷えたんだろう。私だって暑い」
「いやいやいや、吉継ひんやりしてる!」
「くっつくんじゃない!」

吉継はひっついてくる三成を必死に振り払おうとじたばたする。

「…っ、暑いっ!」

ドンっ
吉継が三成を突き飛ばす。
「君が運動させるからまた汗かいたじゃないかっ…!…はあ、シャワー浴びてくる…」
「な、吉継、クーラー」
「…考えとく」

吉継が三成を軽く蹴飛ばすようにして立ち上がった

「風呂付き合おうか」
「馬鹿」

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