采配のゆくえ
□38℃
1ページ/1ページ
「あつい」
「うるさいやつだなあ、暑いのは皆一緒だろ」
「う、うう、暑い暑い」
三成は手で自分を仰ぎながら暑い、暑いとごねている。
涼しいといえば涼しく思えてくるものだ、と吉継は返したが、正直精神云々かんぬんでどうにかなるような暑さでも無かった。
自分の背中もじっとりと汗ばんでいる。
「吉継、クーラー買おう。扇風機じゃこの夏は無理だ」
「君がいくらごねても買わん」
何回このやりとりを繰り返しただろう。
三成はどうしてもクーラーが欲しいらしい。
「吉継だって暑いだろ?」
三成が吉継の腕をつかんだ。
「…あれ?」
「…何だ」
「吉継冷たいな、身体」
自分と同じで身体は火照っているだろうと思って触れたのに、以外に肌はひんやりしていた。
「汗をかいたから冷えたんだろう。私だって暑い」
「いやいやいや、吉継ひんやりしてる!」
「くっつくんじゃない!」
吉継はひっついてくる三成を必死に振り払おうとじたばたする。
「…っ、暑いっ!」
ドンっ
吉継が三成を突き飛ばす。
「君が運動させるからまた汗かいたじゃないかっ…!…はあ、シャワー浴びてくる…」
「な、吉継、クーラー」
「…考えとく」
吉継が三成を軽く蹴飛ばすようにして立ち上がった
「風呂付き合おうか」
「馬鹿」