頂き物
□俺のお兄ちゃん
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俺には兄が二人います。
三つ子の兄弟で、俺は末っ子。
一番上の兄貴は何でもそつなくこなす器用な人で、勉学も出来れば剣術も上手い自慢の兄貴。
二番目の兄は、すっごく不器用で料理を作らせるとある意味芸術作品を作ってしまうちょっと口が悪く、我が侭な人。
でも誰よりも優しい心を持っている可愛い兄さん。
俺はそんな、二番目の兄が大好きです。
「おい、ルーク!剣の修行しよーぜ!」
元気よく扉を開けて、木刀を担ぎながら部屋に入ってきた二番目の兄、ルカ。
そんなルカに苦笑しながら俺は口を開いた。
「ごめんルカ。俺この後先生が来るんだ」
「はぁぁあ!?」
ルカからのお誘いはもう、非常に嬉しいんだけれど残念ながらこの後俺は帝王学を学ばなきゃならない。
帝王学なんて、一番上の兄であるアッシュだけが学べばいいのに何故か俺まで習わされている。
ルカは帝王学習ってないのにな…
「(まぁ、ルカは勉強嫌いだしな)」
「勉強なんかやめて俺と修行しよーぜ!な?」
「うぅ…ごめんルカ。帝王学ばっかりはちゃんと勉強しろって言われてるから…」
「なんだよそれ…」
ぷくっと頬を膨らませて唇を尖らせる姿は愛らしいのなんの。
あぁ、もう。
押し倒していいですか。
だって、兄ちゃんって言ってもほんの数分産まれるのが早かったってだけ…いや寧ろ兄って言う力を使って我が侭言うあたり本当可愛い。
俺末っ子でよかった…こんな可愛いルカ見れるなんて俺の特権だよな。
あぁでもアッシュは弟なルカ見れるのか…くそっ!
「おい、聞いてんのかよルーク!」
「っうわ!ちょ、ちょっとルカ!」
ぼーっと物思いに耽っていたらルカが俺に飛びつき、ベッドに座っていた俺はルカもろとも柔らかなベッドに倒れこんだ。
しかもルカはそのまま俺の体に跨って…!!
「俺と修行するって言うまで退いてやんぬぇー」
にぃ、っと意地悪く口を歪めるルカに内心本能と戦いながら仕方ないとため息を吐く。
こうなったら修行するというまで退かないだろうし、何より俺の理性が保たない。
「もう…今日だけだよ」
俺がそういえばルカは瞳を輝かして嬉しそうに笑った。
結局俺はルカの我が侭を断れず、二人仲良く剣の師匠である髭をボコボコにした。
(でぇや!)
(ルカ、やるならもっと…喰らいやがれぇぇえ!)
(秘奥義は卑怯だぞルーク!)
(髭、俺の弟(得にルカ)に何してやがる)
(あ、アッシュ)
(お!アッシュも一緒に(髭で)遊ぼうぜ!)
(いいだろう)
(ぎぃやぁぁああああ!!)