ユグドラシル

□ユグドラシル 4
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それは酷く懐かしい感触だった。


記憶の中には残ってはいない。

覚えてすらいない。




だがその感覚は身体に馴染んでいた。

誰かの声が聞こえる。

優しく、自分を甘やかす声
知らない筈だ…。

自分はそんな扱いを受けた事は無かった。
公爵のたった一人の子息として将来国を背負って立つ者として相応しい行動が要求されていたし、自分も期待に添えるように心掛けて来たつもりだ。





――誰なんだ…。


いくら問い掛けても答えは見つからない。
望むモノは自分の中にあるはずなのに…。








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