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□魔王の生まれた日
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一番最初に目覚めたのは彼女だった。



唐突な事態に困惑はしたが、内心で奇跡だと諸手を上げた。
その事態こそ彼女が望んだものであり願い続けた事象だった。

歓喜で心が沸き立つとはこう言う感情なのか。

笑みが零れるのが止められない。

さあ、何をしようか?
年甲斐もなくわくわくする。


沢山しなければならない事がある筈だ。
沢山出来る事がある。
過去の過ちは繰り返さない。

そのためにも布石は出来るだけ打っておかねばならない。


この停滞した世界で、何をするべきか彼女は考える。


ああ、でも一先ず。



彼女は幼い外見から考えられない程、大人びて美しく笑い彼の手を取る。

彼と再会と始まりのあいさつを――。



「おかえりなさいルーク。
私の名前はナタリアですわ。」


はじめまして私の大切な幼馴染み。


今度こそ私は貴方のを護りましょう。
私は貴方のためこそに世界を変革しましょう?




誓いと共に少女は少年と歩きだした。



王女の場合

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