SS

□感覚同調
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何もかも

同じで違う自分たち


いつしか違う
別々の個なのだと
考えられる様になった


だけど
心の奥底で

《同じ》である事に

依存している
自分がいる



【感覚同調】







・・・・・

街へと続く街道をゆったりと歩く。


先頭は女性三人。
その後をガイが、そしつジェイドが歩いている。

自分が歩くのは最後尾。

まあ、魔物も殆ど遭遇すらせず街まで来れたのだから後駆としての意味は無かったのだが…。

正直助かった。

余り体調が思わしく無かったから、戦闘になるのは辛かった。

今日は街についたら
宿を取ったら早めに寝ようと考えた

「どうしたルーク、体調で も悪いのか?」

思考に集中する余りいつの間にやら近付いて来ていたガイに気付かず思いっきり驚いた。
叫ばなかったのが不思議なくらいだった。

「大丈夫だって
 何ともねーっよ!」


努めて明るく返事を返した

心配をかけるわけにはいかなかった。

ガイはそうか、とだけ言って隊列に戻った。

何か言いたそうにするガイの視線に気付かない振りをする。

心配をかけたく無かった。

いつだって
いつも考えてしまう。

また

もしも、またあの時の様に置いて行かれたら、捨てられたらどうしようと…。


その想像にいつだって
自分は恐怖する。


だからなるべくなら
心配をかけ無い様にしようと考えた。



もう二度と皆の背中を見送る様な真似にだけはならないように…。



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