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□共に生きる理由
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かつて英雄と呼ばれ
人々を
この世界を救った
二人の青年
その命を代価として世界と引き換えに救ったとされた彼等は二年前唐突に帰還した
それは
奇跡とさえ呼べる僥倖
彼等の死を望まぬ者が居た
かつての仲間達
旅の合間知り合った人々
そして
何より彼等自身
《聖なる焔》と称される少年は《灰》の生を
《灰》と称される少年は《聖なる焔》の生を
強く望んだ
誰よりも強く
それに応えたのは第七音素集合体《ローレライ》
神では無いが神に近い事の出来る彼は殊更、自分に近い存在である《聖なる焔》/ルークに甘かった
それこそ多少の道理なら覆す程度には
そして彼等は揃っての帰還を果たした
それは
互いを互いに望んだからこその《奇跡》だった
だが苦労の末に手に入れた生を妬む者もまた存在した
何故彼らが
彼らばかりが
優遇されるのか?
それは確かに事実であり真実であった
人とはえてして目先の事柄しか見ない性質がある
これも典型でそうであった
彼等がどんな思いで戦い絶対的な死を宣告され、そして生き残ったか
理解はしても知ろうとはしない
それがどれ程の苦難であったかを
そして向ける憎悪の刃
繰り返される誹謗中傷
妬み
謗り
なによりルークの出生もその悪意に拍車をかけた
国家間で保護の条約が結ばれたと言っても彼等/レプリカに対する差別意識と迫害はまだ人の心に根深い
《模造品》と嫌悪する人間が居る事もまた確か
そして、そんなさなかに件の事件は発生した
・・・・・
エルドランドでの戦いから二年。
俺とアッシュはあの頃からは想像もつかない様な平穏な毎日を過ごしていた。
平和に為った世界。
だけどそれすらも偽りの虚像だったのかも知れない。
「死ねぇ!レプリカ風情がっ!!」
何がいけなかったのか。
唐突に耳に入った叫びと身を襲った殺気に身体は条件反射的に腰に吊った剣に手を伸ばした。
認識してからでは遅い。
視認してからでは殺されてしまう。
それが身に染みて理解したかつての戦い。
だからこそ無意識に身体が動いた。
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