不二受短編

□★性交少年(跡不二)2
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「…きみのこと、好きなわけじゃないから。ごめんね、気持ち悪かったでしょう」
そのために不二は輪姦されたのだ。
馬鹿にされて。
…蔑まれて。
「気持ち悪かったら、こんな風に連れてこねぇよ」
それでも苦笑して首を振る不二に、跡部がむっつりと思案した。

「…好きだって言うまで家に帰さねぇからな」

唐突に跡部が言い出した。
不二は困ったように跡部を見返す。
「……」
ふたりの無言の睨み合いはしばらく続いた。
ぽつりと不二が口を開く。
「………明日は学校も、部活もあるし、帰らなきゃ」
「バーカ。そんな体でなにが部活だよ」
言われて、不二はひどく消耗した自分の体に気づいた。
「あ…」
そして、自分の一番傷つけられた器官が、きちんと手当てされていることを知る。
「――跡部…」
枕元には、真新しい軟膏があった。
すぐ傍にある空き箱から出した形跡がある辺り、跡部が新しく買ってきたものだろう。
出血して切れていた自分の尻を、眠っている間に跡部が手当てしてくれたのだと思うと、不二の心は複雑に揺れ動いた。
だがその沈黙をどう取ったのか、跡部はぼそりと口を開く。
「――部活のことなら手塚の野郎に俺から言ってあるから、明日は学校ごと休め」
それから、と。
「…家に帰さねぇっつーのは本気だぜ。毎朝ウチから車で登校しろ」
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