不二受短編2

□アドリブ(蔵不二)
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「不二クン、眼ぇ逸らさんでもっかい言うてみ」

軽く不二をいじる風情で、白石が不二の頭を撫でる。
「わ。髪、乱さないで」
「はは」

撮りが始まるまで戯れていたふたりを、無人のカメラが追っていることにふたりは気づいていた。

「何かの収録かな?」
「せやな」

本番は、学ランに袖を通しての撮りから始まった。
白石にずっと片思いしていた不二が、意を決して告白する。
最初はイタズラじみた白石の戯れから始まり、濃厚なセックスまでカットなしの長丁場だ。

「白石、一回だけでいい。抱いて」

不二扮する主人公が、白石扮するクラスメートの気を引こうと意を決して男慣れした風を装う。
「白石って、モテるから…経験あるんでしょう?」
男子校を舞台にした同性愛モノだ。

「不二クンやって、モテるやろ」

すっかり騙された演技で不二のカラダを求める白石に、不二は一抹の寂しさを感じた表情を見せる。
白石の視界に入ったこと。
白石への完全なる一方通行な恋愛感情。
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