不二受短編2
□制限時間(蔵不二)
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「無理、白石…時間がないよ」
もつれる気配。
「不二クン、寸止めは堪忍やで」
甘く熱情を伝える、少年独特の匂い。
「あ…だめってば…」
今日も制限時間のある、セックスが始まる。
夜行列車のベッドの上。
発車まであと20分。
「20分あれば完璧や」
「もう、…ばか」
匙を投げた不二にがっつく白石。
発車まであと19分。
「ジャストあと1分やな。またなぁ、不二クン」
夜行列車から降りた白石が、ひらひらと窓越しにホームから手を振ってくる。
ぐったり汗をかいた不二が、白石に微笑んで手を振り返した。
恋人達の、甘い甘い────制限時間。
fin.
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