不二受短編2

□★恋せよ少年(蔵不二)
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「不二クン、髪むっちゃ綺麗になったなぁ」
ある日、関東のストリートテニスコートの帰り道に白石が言った。
「ヘアマスクのせいかな?」
「不二クン、ヘアマスクしとるん?」
驚いた白石が、不二の髪をくしゃりと撫でた。
「手触りも最高や」
思わず髪に鼻を埋めた白石に、不二がくすぐったそうに笑った。
「シャンプーの匂い、する?」
不二とて色々考えたのだ。
白石の好む匂い。
白石の好むもの。
白石の好む自分。
「する、する。むっちゃええ匂いや」
嬉しげな白石が、道端の建物の陰に不二を連れ込んだ。
「ムラムラしてきよった。不二クン、ちょっとだけさせて」
「こんなところで?」
焦った不二に構わず、白石が臨戦態勢で彼の髪に唇を押し当てる。
「やって、待てへん。こないに可愛えことされたら」
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