不二受短編2

□口直し(蔵不二)
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「不二クン、口直しさせてや」

むすりと顔をしかめて、白石が不二の体を後ろから抱く。
「また、シてきたの?」
対して不二は、強張る頬を気づかれないように小さく問いかける。

いつからだろう。
白石は、不二という男を抱いて口直しするようになった。
「枕投げられたわ」
「枕?」
白石はそれ以上言わなかった。
ふたりは付き合ってはいない。
だが、身内には白石は不二が本命だと公言してはばからなかった。

「朝帰り、良いご身分だね」
土日に東京で練習試合をすることが多くなった四天宝寺は、その実白石の意図が働いているのではと不二は思っていた。
青学で行われる四天宝寺との練習試合は、ギャラリーに女子大生まで居る始末だ。
その中の誰かと、白石は関係を持っている。
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