不二受短編

□★他校生(跡不二)2
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「とうとう男にまで手ぇ出しよったんかい」
にまにまと笑う忍足に、跡部が頬杖をついて教科書を読んでいる。
「で、えらい呼び出しては家連れ込んでるいうわけや?」
不二もよう来るな、と忍足がにっこりと笑んだ。
「どこがええねん? やっぱ顔か?」
ようやく跡部が顔を上げた。
「…詮索好きだな」
「面白いからや」
フン、と跡部が鼻を鳴らす。
「俺が顔だけのやつと続くと思うか?」
「せやな。自分、めっちゃ選り好み激しいもんな」
理想が高い、とも言う。
「まあ、性格は良さそうやな。あの手塚が横に置いてるくらいやし」
跡部が半眼になった。
「なんで手塚が出てくンだよ」
「なんや、嫉妬か?」
「フン。馬鹿馬鹿しい」
跡部の眼が、再び教科書に戻る。
「…そうだな。性格も悪くねぇな」
「カラダも?」
「ああ。凄いぜ」
うっかり口を滑らせた跡部が、
「あン? なに言わしてやがる」
顔を上げた。
忍足は楽しげに笑っている。
「そんな風に言われると、不二が来たとき変なこと考えてまうで」
「…なにがだよ」
じろりと跡部が忍足を睨んだ。
「こいつの尻の具合、試したらどう――」
跡部の形相を見て、忍足が言いかけた言葉を途中で止めた。
「あいつに手ぇ出したら、ブっ殺すぞ」
「……」
忍足が軽く眼を見開く。
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