不二受短編

□★グランドスラム(リョ不二)
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20××年。

越前リョーマ、最年少グランドスラム達成。


大きな歓声の中、インタビュアーがリョーマにマイクを向ける。
「リョーマ・エチゼン。今一番やりたいことは!?」
興奮した彼の問いかけに、リョーマはにやりと笑った。
「俺のコーチに、――キスしたい」


   *   *

「…まったくもう。きみって子は」
ベッドの中。
リョーマの体の下で、不二は呆れた声を出した。
「俺もう『子』なんて年じゃないっスよ。不二先輩」
くすりと笑ったリョーマが、不二の首筋に顔を埋める。
不二がそんなリョーマの頭を抱いた。
「…全国区のテニス専門誌どころか、全世界のメジャー誌に載るんだよ。あのコメントが」
「上等」
ため息を吐いた不二の喉が上下する。
そこへリョーマが甘く咬み付いた。
「…ん」
不二がリョーマの髪をくしゃりとやる。
艶やかな黒髪だった。
対照的に不二の色素は全体的に薄い。
線が細いのは大人になっても変わらず、今ではリョーマのがっしりとした体躯にすっぽりと抱かれてしまうくらいになった。
最高に抱き心地が好いと、リョーマが笑う。
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