不二受短編
□★Share(跡不二)
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違うって言わせて。
愛してないって、言わせて。
「もっと腰遣え」
冷たい、男の声の上。
不二はあえぐ喉を抑えて腰を揺らした。
月光の下、冷たい瞳に灼かれる。
「…ぅ…、ぁあ…ッ」
精液を跡部の腹に放つと、不二は一瞬がくりと力を抜いた。
跡部がそれを受けとめて、口唇を奪う。
「ばーか。まだ達っていいって言ってねえだろ」
不二は跡部に飼われていた。
跡部、19歳。不二、19歳。
「ごめん…」
不二の頬を、跡部の大きな手のひらが撫でた。
「ほら、動けよ」
体力の限界に来ているのに、それでもまだ許さないと言う跡部に、不二はこくりと喉を鳴らすと再び腰を動かし始めた。
不二が跡部と関係したのは、酒に酔った弾みでのことだった。
不二は跡部と同じ大学の、同学部だった。
中学からの顔見知りであったし、講義も同じ教室で受け、互いに会えば軽くあいさつを交わすくらいの間柄ではあった。
跡部は女付き合いが激しかったし、家柄のこともあり、色んな意味で有名だった。
対して不二は、理知的な雰囲気に怜悧な美貌で、今どきいない白馬の貴公子などと評されていた。