不二受短編

□★性交少年(跡不二)
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始め不二の意識は朦朧としていた。

3日間なにも食べ物を与えられず、水だけで監禁されていたのだ。
場所はたしか、廃屋のマンションだったと思う。


青学の不二が氷帝の跡部のことを好きだという噂は、まことしやかに流れていた。
それを知って、男のカラダに興味を持ったメンバーの悪巧みが実行に移されたのだった。
跡部の名をかたって、不二を呼び出すことによって。



「…手塚……」
助けて、と不二の唇が擦れる。
今不二は、千石に連れられて野外の公園に来たところだった。
水飲み場の近くの草原に寝かされ、満足に動かない四肢で無防備に横たわっていた。
数時間前に水と一緒に飲まされた変な薬が、不二の体を妖しく火照らせていた。
「手…塚……」
熱に潤んだ眼で、不二は唯一の頼みである青学の部長でありチームメイトである彼に助けを求める。
だが、手塚は時折切なげな眼で彼を睨むように見つめてくるだけで、腕を組んだまま傍に寄ってこようとしない。
代わりに不二の傍に膝をついているのは、忍足と千石だった。
「不二くん、もう媚薬が効いてきたころだね。そんな色っぽい眼しちゃって」
嬉しげに千石が言うと、怜悧な笑みを浮かべた忍足がホースを手に取った。
細長いホースは、近くの水飲み場の蛇口に繋がっている。
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