不二受短編

□★性交少年(跡不二)2
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不二は泥のような眠りから覚醒した。
「……」
ぼうっとした頭で周囲を見やる。
自分を抱き込んでいる裸の男を見て、不二は眼を見開いた。
「え…」
気づけば不二自身も素裸だ。
ぼんやりと蘇ってきた記憶に愕然として、不二は逃げ出そうと身動いだ。
だが、跡部の腕の拘束ががっちりとしていて、全く身動きがとれない。
「…あン? 眼ぇ覚めたか」
それまで不二と一緒になって惰眠を貪っていた跡部が、不二の動きに眼を開けた。
「別に変なことはしてねぇよ。オメーがくしゃみして寒がってたから、暖めてただけだ」
「……」
それでもやはり不二の警戒が取れないのを読んで、跡部はため息を吐く。
「…帰るよ」
放して、と擦れた不二の声。それを跡部の唇がふさいだ。
「……!」
ねっとりと口内を犯された不二は、かぶりを振って逃れようとする。
「…ゃ…ッ」
不二の唇をぺろりと舐めて、跡部はフンと鼻を鳴らした。
「…からかわないで」
不二は眼を伏せた。
「別に、からかってねぇよ」
「――…きみに言ったこと、忘れて欲しい」
不二がなんのことを言ったのか理解して、跡部は焦れた。
「過去形の告白なンか受けねぇぞ。ちゃんと俺のことが好きだって認めろよ」
迫る跡部に、だが不二は、そっと顔をそらす。
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