不二受短編

□不埒(蔵不二)
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「不二クン、どないしたん?」
青学で見るとは思っていなかった人物を見つけて、不二は目を見張った。
白石蔵ノ介。
四天宝寺テニス部部長だ。
「練習試合の打ち合わせに来てん」
はるばる大阪からやってきたという白石に、不二はただただ驚くばかり。
「白石…もしかして週末は東京?」
「せやなぁ。不二クン、案内してくれへん? 誰とも予定ないねん」
はるばる大阪から来た割りには、約束はないと言う。
男同士とはいえ、白石を想っていた不二は願ったり叶ったりであった。
「宿は決まってる? 一応、今夜は家族がいないから僕ひとりなんだけど」
勇気を出して、不二は言った。
「ほんまに? やったら、ホテルキャンセルするわ」
宿代浮くわぁ、と喜ぶ白石に。
「今帰りの準備してくるから、待ってて」
不二は慌てて言った。
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