不二受短編2
□熱情(蔵不二)
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「…恥ずかしいな、ちょっと」
赤くなった不二が、白石の肩口に額をもたれる。
「ドキドキしてる…」
笑った不二に、白石がその頭を撫でてやった。
「不二クン、大好きやで」
髪に口づけた白石に、不二が嬉しげに微笑んですがりつく。
「シよ、白石」
普段、不二から誘うことはない。
「今日は大胆やな、不二クン」
「うん。…好きにしていい」
男だからこそ、分かる覚悟の深さ。
それが、不二には嬉しかった。
「は、ぁ…ッんン…」
白石の猛りを受け入れた不二が、余裕をなくして白石にすがりついた。
「好きにしてって言ったけど、ちょっと激しいね…」
せわしない口づけの合間に、新たに知らされた白石の熱情を甘受する不二がいる。
「もっと、ヤるか?」
「白石になら、されてもいいよ」
後には、甘く笑い合う恋人達の姿があるばかり。
絶え間ない愛情の音が、途切れるのはまだまだ先のこと。
fin.
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