不二受短編2

□★恋せよ少年(蔵不二)
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「ちょっとだけだよ、白石」
うわずった不二の声の後に、行為にもつれ込む衣擦れの音が小さく重なる。
「白石…ッ」
ジャージの中で股関を触られた不二が、堪らず声を上げる。
「不二クンのせいやで」
甘く囁いた白石が、不二の性感帯を熱に染めていく。
「俺の理性、形無しや」
余裕のない台詞とは裏腹に、白石は不二よりも全然余裕があるように不二には見えた。
だが。
「先っぽ濡れとるんやで、俺のん」
触ってみ、と。
そんな言葉とともに誘導された指先が、白石の性器に触れる。
「あ、…ッ」
思わず不二がびくりとした。
それは怒張し、硬くなって熱を帯び、液を滲ませていた。
「こうなるん早いわ。家まで待てへん」
性急な白石の台詞で、不二は次に何が待ち受けているのかを知らされた。
「先っぽだけ、挿れさせて」
男っぽい、白石の殺し文句。
「…先っぽだけだよ」
ついに不二が観念した。

少年達の、甘い夏の匂い。


恋せよ少年。



fin.


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