不二受短編2

□イタズラ(ニオ不二)
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「俺の変装も形無しじゃな」
ため息を吐いた仁王は、だが嬉しそうだ。
「仁王、ぼくの不満を知りたかったの?」
くすりと不二が笑う。
「ないよ、そんなの」
強いて言えば、と。
「ぼくを試すとき、ぼくを見くびってることかな?」
不二の目がイタズラげに。
「仁王以外の人に、あんな風に匂いかいだりしない」
仁王だって確信があったんだ、と。
「ほう? 面白いのう」
仁王は不二の頭を撫でると、額をこつんと合わせた。
「キスさせんしゃい、不二」
ご機嫌な仁王が、不二をあやして可愛がる。
「ここではキスまでだよ、仁王?」
「なら、早う帰るとするかのう」

今日は寝かせてもらえそうにない。

不二は予感した。
「早く帰って…いっぱいシよ?」
わざと自ら誘うように言った不二の眼には、紛うことなき仁王ただひとりが映っていた。



fin.

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