不二受短編2

□嘘(塚不二)
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「…不二」
危うくキス以上にもつれ込みそうになるのを、手塚が抑えた。
「今日はここまでだ」
不二がくすりと笑う。
「はーい」
手塚の肩に手をかけていたのを離す間際、下から彼の唇をぺろりと舐めた不二だ。
「ありがとう、手塚」
一線を越えない、火遊びにも似た。


「…ふぅ」
帰宅したシャワーの下。
不二は、手塚にねだった首すじの所有印を指先で撫でる。
他の誰にも、手塚が付けることはない所有印。
手塚を今、独り占めしているのは不二に他ならない。

「…好きだよ、手塚」

鏡の前で、手塚に愛撫された体を眺める。
手塚は不二の鎖骨が好きだった。
髪、鎖骨、腰、…唇。
手塚が念入りに愛した部分はすべて覚えている。
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