不二受短編

□★他校生(跡不二)
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「…モテる奴はええな。女とっかえひっかえやねん」
女じゃないぜ、と跡部は内心思った。
「ほなら俺帰るわ。お先に」
去っていく忍足の背を見送って、跡部は電話を切った。
「……」

「よぉ。来たか」
「お邪魔します…」
不二の私服は初めてだった。
ざっくりとした茶色のセーターにベージュのスラックス。不二によく似合っていた。
「上がんな」
スリッパを履いてふたりが廊下を行く。
「シャワー浴びるか?」
「え…?」
「バーカ。やることはひとつだろ」
不二が眼を見開く。綺麗なアーモンドアイズだった。
「オメー何しにきたつもりだ?」
「……」
跡部の言わんとしていることを悟って、不二が眼を伏せる。
「…初めてかよ?」
「うん…」
「……」
てっきりそっち目的でやってきたと思っていた跡部は、初々しい不二の様子に頭を掻く。
「まあいい」
初モノは戴かない主義の跡部だったが、今日は気が変わった。
「シャワー浴びてこいよ。男同士で体のどこ使うかくらい分かってンだろ?」
意地悪く笑ってやると、不二は小さく頷いた。
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