不二受短編

□★ブラインド(跡不二)
2ページ/5ページ

すっかり不二家の客人として定着した跡部だったが、よもやまさか息子が男を連れ込んでこんな行為に耽っているとは親は思っていない。
「そういえば、オメーの姉貴に笑われたぜ」
セックスの合間に跡部が突然言いだした。
「…なにを?」
「『Hするときは、ドアをちゃんと閉めなさいね』って」
「……!!」
不二が顔を覆う。
不二はなにも言えなかった。
どうりで最近よく跡部のことを聞かれるわけだ。
それも楽しげに。
姉として、由美子はそういう人間だった。
「これで公認だな」
どこか嬉しげな跡部の下で、不二は眼も当てられない。
「………はぁ」
嘆息しても、どうにもならないことは不二も分かっていた。
「跡部、しばらく出入り禁止…」
「アーン? なに言ってやがる。冗談じゃねぇぜ」
そのまま痴話喧嘩に発展しそうになるのを、どちらからともなく抑える。
「……」
「………」
ふたり揃ってドアのほうを見やった。
「………ふぅ」
「過ぎたことはしょうがねえ。くよくよすンな」
あまり慰めになっていない跡部の台詞だ。

腰遣いも終盤になると、不二の息が乱れてくる。
「…ぁ…は、…ぁ…ッ」
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ