トリブラ

□愛してる、の先は
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真っ白な雪の中
佇むのは電灯に写った二つの影
お互いに手を擦り合い、ずっとその時を待っていた






【愛してる、の先は】





「ズズズ……」

「ほらちゃんとかんで下さい」


一つの屋根の下で二人は暖炉にあたりながら会話を進めていた。
エステルは未だ鼻を垂らすアベルの前に、テッシュ箱をそのままおいた。


「全く神父様ったら任務中に風邪を引くなんて。」

「ずびばぜん……」


腰に付けていた手を下ろし、棚にしまっていたティーカップとお砂糖、紅茶を取りに行った。別に薄着でもない服をまとっていながらのこの身体の弱さ。
まぁ毎回のごとく、船に乗れば船酔いしたり、夏になれば貧血を起こしたり、大の大人が……と思うと呆れる。


「(まぁ今回は仕方がないわよ、ね…)」


任務を終えた後外に出たら吹雪で、とても薄着では凍えてしまいそうな天気だったのだ。
そんな時に上着を貸してくれたのが神父様な訳で…。自分が風邪を引かなかったのも神父様のお陰。だから、そんなに怒れない。


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