トリブラ
□お星さま
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きら
キラキラキラ…
あ。【お星さま】みっけ
「あ。また光った」
「流れ星ですか」
はしゃぐエステルの横で、『風流ですねぇ』と言葉を洩らす。今は夏の夜、ここの所晴れが続いていて夜になると、二人で抜け出して星を眺める。
「神父様。」
「はい?なんです?」
「神父様、は…もし願いが叶うなら何をお願いしますか?」
「そうですねぇ……お給料が増えて下さい!ですかね♪」
「もぅ!真面目に答えて下さい」
「あはは、。」
アベルにとって至って普通の願い事。増えるものなら増えて欲しい、エステルとてそれは納得いく願いでもあるが。彼女から見ればそれは簡単な願い。
―そうではなくて、叶えたくてもすぐには叶えられない、とても大きな願い。心の奥から心底願える想い。
「私は――…
真っ直ぐな顔をして空を見る。
「私は、やっぱりやっぱり皆が幸せになれる事を願います。」
世界は普通に見えて、でも混沌と闇がひしひしといや、しっかりと紛れ込んでいる。自分自身特別な能力や技術など備わっていない。
ただ、仲間達と歩き、旅や任務で私に出来る事をするだけ。
出来る事と言えば、ほんの少しだけしかできないから。