トリブラ

□ワンにゃん物語
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「わん。にゃん!」



「冗談ですよね。エステルさん?」



「にゃんにゃー」

「………」







突然彼女が猫になった。



【ワンにゃん物語】





「…な…なな……」



目が点のアベル。


きょ

「教授〜〜!」


エステルをぐわぁしと掴んで教授の元に走る。息切れしてても構わない。
周りからみれば変な境遇に置かれるかもしれない。けれどそんなのお構い無しに勢い良くその扉を叩いた。


ダンダンダン!

「教授開けてください!」

「?その声はアベル君かい?一体どうしたと言うんだい。」

カチャリと開いた扉から飛び出したかの様に転びそうになり、

「ぐべっ」


見事にスライディング。
抱えていたエステルはアベルの手元から離れ、ソファーの上にぽすんと落ちた。
メガネの縁が転んだ拍子に折れ曲がり「3ヶ月の給料分叩いたのにィ〜(泣)」と泣き崩れるアベルにエステルはきゃっきゃっと笑った。


「所で何のようで来たのかね。」

「…ハッ!教授エステルさんが」



「うきゅ?」


クラぁ…



「鼻を押さえてないで話したまえ」

教授は倒れかけたアベルに苦笑いしたが、状況が更に解らないとパイプの灰をコンコン、と落としアベルを急かす。アベルも鼻を押さえたまま話し始めた。




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