Pr.
□もう一度キスを
2ページ/3ページ
「だからって大声出さなくたっ
ていいじゃないですか!」
ぎゃあぎゃあと
こんな痴話喧嘩よくあることだ
けど、まさかこの後あんな事に
なるとは思わなかったわ。
べちょ
変な音が耳についた
そして、二人の視線は真下に
その音は
アベルの持っていたアイスが溶けて
自然的に落下し、エステルの僧衣服に
直撃した音である。
「……ぁ」
「……」
暑い地域なのに一部分だけが
寒氷と化す
それを身重って体験するアベルは
口が思わず『∨』の字になって
冷や汗を掻いた。
思いっきり怒ってらっしゃいま
す、よね………?
目線をしたにした彼女は一向に
顔を上げない。
ただ、視界をチラッと上に移すと
僧衣服を掴んで
にわかだが震えていた。
泣いていると
怒っていると
どちらかならば後者の方だろう。
まさしく火に油を注いだ状態。
時間がたっても顔を伏せたまま
顔を上げず、不穏な空気が流れたまま。
暑いのに冷や汗がだらだらとして
アベルはたまらず謝ろうと一気に
顔を上げた。
「エステルさん!ごめんなさ…
…あれ、?」
既にそこには彼女の姿はなく、
むなしい風だけがアベルの頬をなでた
か
(完全に怒らせたιιι!!!)
何とか謝ろうとエステルの元へ急いだ。