トリブラ
□真珠
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「ぶぇっきし!」
「大丈夫ですか神父様!」
「え…えぇ、私なら大丈夫です」
落ちた後神父様と私は泳いで何とか辿り着いたのだ。
そして、今居る場所は空洞の洞窟の中。
辺りは暗かったが何とか火の元を焚いて服を乾かしている。
エステルが持っていた薬品が役に立った。
>これで長時間の間は持つだろう。
「…ぅ……、」
>いくら火が燃えていても当たらない部分が寒い。
>風が吹いてこないように一番奥に避難したのはいいが
「…エステルさん、寒いんですか?」
…
「いえ、大丈夫です」
私だけじゃない。
神父様だって寒いに決決まってる。
凍える体をきゅっと抱きしめた。
そんな姿に神父様は苦笑いして言葉を続けた。
「私の腕の中に来ますか?」
「…………へ?」
思わず顔を上げて驚いてしまう。
あまり突飛な事でアホ面に。
神父は頭をポリポリかいて申し訳なさそうにしながらも、一応説明だけでもと話始めた。
「人の体温って服一枚隔てていても重ねていれば結構暖かいんですよ……………って冗談ですから」
…間
「行ってもいいんいんですか?」
今度は神父様が驚いている。
…というか、驚く位なら取り消して下さい。と言いたかった。