トリブラ
□真珠
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「……わ…エステルさん小さ」
それは仕方がない。
だって男の人だもの女は小さいわ。
私が知る限りペテロさんやトレス君も体が大きいけど、神父様も身長高いのよね。
「………」
ひょろっとして弱そうなんだけど体つきはクールスニクの時に…
「エステルさん?」
やだ。私ってば何考えてるんだろ……。
神父様不思議な顔してるし
「うわっ、まさ…か……エステルさん私がセクハラする為に呼んだとか思ってたりしてます?」
何か不味いものでも食べたような、いや〜な顔をするエステル
「……する為に呼んだとしたら殴りますけど」
拳を握り、ポーズのエステルに神父は「そんな事しませんよ」はは、と笑い軽くそれをひょいっと取り上げた。
「……ぁ、」
「これ、取りますね」
「はい…。」
濡れた僧衣帽子を外し、神父様の上着の上に置かれる
「え…あの」
自分の服をしたに置いたら砂が付いてしまうのに
「エステルさんの服は白ですし、それに……ええ、私の服でしたら大丈夫ですよ」
ほやっと和らいだ表情で微笑み返す。
気遣ってくれた事に気付く。
「…ありがとう…御座います」
「いいえ。」
パチパチ
薪が燃え、パキン。と火花を出し木が折れた。
波の音に風が混ざって冷たい風がひと吹き、間を置いてまたひと吹き吹いてきた。