トリブラ
□真珠
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直に当たらないものの……贅沢は言えないけれどどうせなら小屋に避難したかったな。
……。
言い辛い…
そっ…
「胸に置いたら怒りますよ」
完全バリアを張る私に「疑い易いですねエステルさんは。」とかいいながら…「何で冷や汗掻いてるんですか神父さま。」とジト目で睨み付けていたけど
「こうして……抱き締めるとより暖かいでしょ?」
「…。暖かい、…です」
神父さまが自分を包むようにして抱きしめてきた。
もちろん腕は私の膝の上。
暖かいから……まぁ
この位は許しておくか…
助けがくるまでこうしていましょう。
そう付け加えてまた静けさが戻った。
ふわっと風が洞洞窟内に吹くと、こまっていた神父様の髪が目に留まる。
その銀色に染まった髪を指に絡めて
「神父様の髪って陽に照らされるとキラキラ光って綺麗ですよね」
間近で見る顔。
この人は本当に綺麗だ。
顔の輪郭も睫も凛としたものを失っていない。
そういえば、あの方も女性として
「………。」
「?どうかしたんですか」
「何でもないです」
私と比べればあの人もあの方も品があってて綺麗なのは仕方がない。
でも何で私怒ってるんだろう。
怒る必要なんてないのに神父様はおもむろに私の髪を掴み言葉を添えた。
「エステルさんも綺麗ですよ」
その言葉に私は言葉を濁らせた。