トリブラ
□貴方を思う
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地面に手を突いて立ち上がり、目の前の人をそっと抱きしめた。
背丈の違う小さな体
ああ、ほらちゃんと抱きしめられない。
しっかりシナクテハイケナイノニ
手が震えて
彼女が肩を震るわせる度、胸にチクリと痛みが走る
コレハイッタイ
ナンナンダ
「!」
細い腕が背に回る。
まさか彼女も抱きしめてくるなんて思わなかった
「…エステルさん」
つい―と目尻に溜めた涙を拭って見つめ返してきた彼女に
今ならいえるだろう開けた口から出た言葉はハッキリとしたものだった。
たった一言の言葉
「好きです」
その言葉を伝えた瞬間さっきまでのもどかしさが消えていた。
しかし当の本人は突然のあまり固まっている
「………!!
//////え!?…いや、…その……っ〜////」
やっと自分が発した言葉の意味を悟り、慌てふためく。
「え〜と………」と言うばかりで次に繋ぐ言葉が見つからない
そんな私をみてエステルさんはとんでもない言葉を発した
「…恥ずかしい」
……………
………………………
「そ…そう、ですよね……すいません」
いきなり石でも頭に当てられた衝撃
おもいっきり肩が下がる
「というか
嬉しい……です」
……間
「え?!」
二の次に告げた言葉。目線を向けると口元に手を当てて横を向いていた。
本来なら帽子で隠れている耳が今や丸出しで真っ赤に染まっている。