トリブラ

□日常
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まったくあの人は私が部屋にいなかったらどうするつもりだったのだろう。

そんな事ならトレス君の探知機や教授にでも頼んで見つけて貰った方が確実に見つけられるだろうに…。





まぁ……
二人も忙しいし、簡単には頼めなそう。それに「自分で探してきて下さい」って言い返さなかったのは
どうせ神父様が探しても騒動に巻き込まれるか、巻き込むかのふた通りだろうと思ったからだ。





「……私も人が良すぎるのかしら」

と考えている内に公園にたどり着いた。





「…ぁ!」
しまった。




どの辺で落としたのか聞くのを忘れた。
しかし戻った所で時間がもったいない。折角ここまできたのだから、
意地でも探して見つけてしまおう。
エステルはランプ片手に公園内を探し始めた。















「………。」



一人残されたアベルは紅茶をくるくるとスプーンで混ぜ、三倍目の紅茶を飲んでいた。





「………。」



一人残されるとはこんなに静かなのか
紅茶を一口含んで飲みカップをおいた。











「あと……半分……。っ、結構広いわねこの公園」



南口北口の右側を探し続けたが見つからない。


「…さすがに、……探さなきゃ」

疲れたという言葉を押し込んでまた眼鏡を探す。
あれがなければ神父は何も見えない。
なんとしても見つけよう。









カサ



「神父様!」
「わっ!エステルさん服汚れてしまってるじゃないですか」

「誰の所為ですか」

「私です……。え、と…エステルさん私も探します」
よいせ、と腕まくりをしてやる気満々。が、



「「はああ!?何言ってるんです0.001の眼球で!バカなこと言わないで下さい!!!」」



エステルにほんとのことを言われ、
「そんなぁっ〜」と神父は泣き顔になる。

そしてやる気のメーターも下がる。

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