トリブラ

□お星さま
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だから尚の事幸せになって貰いたい。願う事に夢が叶って欲しい。揺るぎ無い希望を今は祈る様にしか願えないけれど。神父様はそっ、と私の髪を撫でて

「強いですね。」
「つ、強くなんか…」

それでも『強いですよ』と言ってくれた神父様の手が心地好くて、そのまま体を預けた。冷たくも心地よい風に当てられながら、星達はまだ輝いていた。
撫でていたその手が、冷えた頬に当てられて流れるまま唇と唇が重なって離れた。短い口付けを終えた片方の口は開き、両の眼で相手を見て呟く。


「エステルさんが皆の幸せを願うなら、私もそれの願いに賛同致しましょう。」
「神父様…。」

アベルは笑顔で返す。それと同様に
「貴女の幸せも願いますよ。心の奥から」

「ぇっ、私の幸せですか??」

「ええ。私はこうしているだけで幸せですから、…―最も、私がエステルさんを幸せに出来るかどうか…努力中ですけどね♪」
「///、…もぅ幸せ中です…///」

私は欲張りですから。と更に口を漏らすアベルに対して今はもう、赤い顔を隠して呟くのが限度だった。つまり、先程の口づけもこの言葉を示すかの様な前提的な予告行為であったと頷ける。そう考えると思い出してまた熱が上がった。


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