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□お兄さんがこんなに優しいわけがない
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お兄さんがこんなに優しいわけがない


 とある公園、人通りが多い事から私はよくここにある人を呼び出す
 高坂京介、桐乃のお兄さんで桐乃を卑猥な趣味に導いた張本人である、その人を。
 そういう今日だってお兄さんをとある事情で呼んでいるのだ。

 待ち合わせ時刻は午後2時、さて、お兄さんはいつも何分くらい前からここに来るのでしょうか、ちなみに今は十二時半だ。
 私は十二時にはもうここに居たが、何もする事がなく欠伸を噛み殺す作業に意識を向けていた



 それから私はさすがにこんな時刻からは来ないだろう、と思い、ちょっとジュースを買いに出かけた
 私がいつも十五分前くらいに着いてもお兄さんは必ずいるし……、やっぱり三十分くらい前から来ているのでしょうか?、そうだとしたらお兄さんにしてはいい心掛けですね
 そんな事を思いながら、そして買ったジュースを飲みながらさっき座っていたベンチに戻ろうと歩いていった。


 だが途中で私はあり得ない光景に足を止めた。
そして急いで時計を確認する、十二時四十五分。何回か見ても結果は一向に変わらない。
 なんでいきなり時計を確認したのか?
 そんなのは簡単ですよ、そこにお兄さんが居たからです。
 そう何時ものベンチにお兄さんは今いるのです

 私は思わず自分の目を疑い、ゴシゴシと目を擦る
 そして再度見ても、やはり結果は変わらなかったいつもこんな時間から来ているのですか? 何で? 私が心配だからですか?
 そう思った瞬間私は頭を振ってその考えを忘れようとする。だけど忘れる事は出来ずに、こんな事をしているきっかけの昨日の出来事が思い出された


 こんな事をしている理由は昨日、私がお兄さんと会うのを控えたほうが良い、とお姉さん(麻奈実)に言った事から始まったのだ




 
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