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□大丈夫好きだから
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「はっ…はっ…ぁ、宍戸さ…」
長太郎の呼吸がさっきよりずっと近くなった。
「あっ…ちょうたろ…ちょうたろお…」
うわごとのように何度もちょうたろう、と繰り返す俺はなんて無様なのだろう。
長太郎の手の動きが早まった。
お互いの性器が強く擦りあわされる。
突然長太郎が俺の先端を爪で引っ掻いた。
「ああっ!ちょ、ちょうたろ、それっ…きもち…い…!」
(やべえ長太郎、お前やべえよ)
だってこんなにも俺を必死にさせる。
こんなにも、俺を
「あ……っ!」
お互い同時に達し、荒い呼吸のまましばらく抱き合っていた。
ふと目線を上げると、どこか泣きそうな顔をした長太郎と目があった。
「…好き」
眉間にシワをよせながら紡がれたその言葉と表情とのギャップがなんだかおかしくて、思わず笑ってしまった。
「なんで笑うんですかあ〜」
本気なのに、とぶつぶつ呟く長太郎の突き出された唇を自分の唇でふさいでやり、一言
「俺だって本気」
と言えば、不安そうなふくれっ面は途端に笑顔になるのだった。
(大丈夫好きだから)