RE!短編

□キミ、限定。
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「雲雀さん!
お誕生日おめでとうございます!!」
「…何これ」

私が放ったクラッカーを雲雀さんは鬱陶しそうに振り払った。

「え?
何って…クラッカーですけど」
「知ってるよ、そのぐらい」

馬鹿にしてんの?と雲雀さんが私を睨みつけた。

「え、えっと!
実はケーキ作ってきたんですよぉ〜」

無理やり話を変えた。
私は懐からケーキを出し、

「はいっ!
雲雀さんは甘いの苦手そうなので
甘さ控えめに作ってみました〜」
「別に甘いの苦手じゃないんだけど」

雲雀さんがスパッと言い放った。

「…え?」
「別にいいけどね。
ありがたく頂いとくよ」

雲雀さんが私の手からケーキの箱を奪い取った。

雲雀さん、
甘いの苦手じゃなかったんだ…。

「なんか…すいませんでした」
「何で謝るの?」
「え?い、いやぁ…
あっ、じゃあ何か欲しいものあります?」
「別に…ケーキ貰ったし」
「ダメですダメなんです!
私が何かあげたいんです!!」

そんなに言うならと、雲雀さんが何か考える素振りをした。

「じゃあ…
今日から僕のこと
恭弥って呼んでよ」

しばらくの沈黙の後
雲雀さんがそう言った。

「えっ!?」
「何。嫌なの?」
「いえいえそんなっ!
ただ…雲雀さんって意外と可愛いこと言うんですね」
「…咬み殺すよ」

雲雀さんが顔を真っ赤にしながらトンファーを構えた。

「あははっ!
雲雀さん、顔真っ赤ですよ!」
「雲雀さんじゃなくて恭弥ね」
「じゃあ恭弥、顔真っ赤です!」
「…咬み殺す」
「ご、ごめんなさいぃ!」

何はともあれ、恭弥。
誕生日おめでとうございます!!









(跳ね馬には恭弥って呼ぶなって言っとかないとね)
(何でですか?)
(君にしか名前で呼ばれたくないから)
(なっ…!てゆーか跳ね馬って誰ですか!?)
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