RE!短編

□完全無欠なプレゼント
1ページ/2ページ



プレゼントは持った。贈る言葉も決めた。
早く骸さんが帰ってこないかと
わたしはそわそわしながら待っていた。



―3日前



「ねぇ、犬と千種くん。ちょっと相談したいことがあるんだけど…」

「あー?」

「めんどい…」


乗り気じゃない2人に半ば強引に話を聞いてもらうことにした。

犬はあぐらを掻いて頬杖をつき、千種くんは眼鏡をかけ直しながら早くしてと目で促す。
うーん、興味なさそうだなぁ。


「あのね」


とりあえず聞きたいことだけを単刀直入に言うことにした。


「もうすぐ骸さんの誕生日じゃない?2人は何をあげるの?」

「あげないびょん」

「めんどい」


まるでそれが当然な答えだという顔で2人は即答する。


「そ、そうなんだ…」


相当話を聞くのが面倒だったのか、
2人は立ち上がりわたしの元を去ろうとした。
わたしはそれを引き止め、


「じゃあ何あげればいいかな!?」


犬と千種くんは露骨に嫌そうな顔をしたが
犬はすぐに口角をあげ(千種くんの表情は変わってないが)わたしの耳に顔を近づけた。


「パイナップルあげればいいんじゃないれすか?」

「パ、パイナップル!?」


プレゼントにパイナップルって。
なんだか華がないなぁ、なんて思った。


「骸さんの好物、パイナップルなんらよ」

「え?そうなの!?」

「パイナップルがないと生きていけないらしいびょん」


初耳だ。
それだけわたしは骸さんのことを知らないと痛感するとともに
プレゼントが決まったという喜びが込み上げてきた。


「わたし、パイナップル買ってくるね!」


.
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ