最遊記(Not.D)
□唯一の光(Nov.李厘)
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目の前を真っ暗な闇が覆う。
全てを飲み込む様な、漆黒の闇。
「李厘、こっちだ」
大好きな人の声が聞こえる。早く駆け出したい。早く、あの人のもとに…。
なのに、足が動かない。
「貴方は、私の娘」
今まで、母親らしい事なんて、してこなかったじゃないか。おいらは、おいらは…。
「…様。李厘様!!」
目を開くと、其処には、見慣れた、彼女の顔…。
「あれ、おいら…。」
「うなされている様でしたので…。どうかなされましたか?」
「ううん、何でも無い!!お兄ちゃんは?」
その時、おいらには光が見えた。
「李厘」
「お兄ちゃん!!」
―唯一の光…