最遊記(Not.D)

□携帯
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「まぁ、あんまり、好きな方じゃないわな」
「でしょ?だから、意外だな。って…。で、いったい、どんなメールを送ってるんですか?」
「あぁ…、んじゃ、この間送ったメールでも見るか?」

そう言って、悟浄は、携帯を取り出すと、口に煙草をくわえなおし、片手で軽く操作を始めた。

「良いんですか?」
「あぁ、良いの良いの。だって、んな重要な事書いてねぇし。ただ…あぁ、これこれ。ほらよ」

差し出された携帯を八戒は、丁寧に受け取った。
画面には、

『そう言ゃあ、この前言ってた映画どうだったよ?』

「映画?」
「そ、映画。この前、珍しく『なんか良いの知ってたら、教えろ』っていうから、教えてやったからよ」

八戒は、何処か似ている、三蔵の真似に、苦笑をもらしつつ、首を傾けた

「でも、悟浄って、映画とか見る方でしたっけ?」
「いんや。ただ、話題に上がる映画位は、小耳に挟むからさ」

妙に気だるげな雰囲気が辺りに漂う。
どうせ、酒場で仕入れた情報であろう事は、容易に想像が出来た為、八戒は、それ以上、話を広げずに止めた。
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